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博士ってなんぞ?(初級編)

研究・教育

 

皆さんは「博士」と聞いて何を思い浮かべるでしょう?

 

たとえば…

 

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こいつ(お茶の水博士)とか...

 

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 こいつ(阿笠博士)とか...

 

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こいつ(オーキド博士)を思い出すかもしれない。

 

 しかし彼らは博士号を持っているという意味で「博士」と呼ばれているわけではなく、その道に詳しい人くらいの意味で「博士」と呼ばれているに過ぎないと思われる(いやもしかして博士号持っているかもしれないけど)。

 

 では博士博士号とは何か。現在、僕は大学院の博士課程(博士後期過程)に所属しているのだが、それがなんなのかよくわかっていない人も多く、毎回自分の所属を説明するのに苦労している。実際、博士と聞いて本当に上の画像のようなイメージしか頭に思い浮かばない人も割といる(笑)。 この記事では、まず資格・制度としての博士号に注目し、基本的なことをなるべく包括的に説明する。ただし、僕自身も知らなかったことが多いので、誤った記述があるかもしれないが、その場合はコメントでして頂けると助かります。まず「学位」について説明してみよう。

 

学位とは?

 なるべく平易に説明すると、学位とは、ある高等教育機関を修了した称号のことを意味している。つまり、ちゃんとその教育機関を卒業できたことの証が学位であり、それを書類の形として表わしたものが学位記である。日本における高等教育機関には

専門学校、短期大学、高等専門学校高専)、大学の学部、
大学院(修士課程、博士課程、専門職学位課程)

などがある。異なる種類の高等教育機関を卒業すれば、異なる名前の学位を授与される。たとえば大学の学部を卒業すると「学士」、大学院修士課程を卒業すれば「修士」、大学院博士過程を卒業すれば「博士」という名前の学位を授与されることになる。また、卒業した学部の種類によって「学士(理学)」など括弧付きで専門分野を表記するのが普通である。通常大卒と言ったら学士を取得している人のことを指す。

ちなみに聞きなれない人もいるかもしれないが、専門職学位課程というのは「高度で専門的な職業能力を持った実務家の養成」に特化した大学院の教育課程であり、法科大学院や経営大学院(ビジネススクール)などはその一例である。

 

大学生・大学院生って何をやっているの?

 大学院がどういうことをする場なのかを知らない人のために、まず先に大学は何をする場なのかについて説明しておく。学校教育法第83条によると

大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的としている。

らしい。内部的には学部や学科などの教育研究組織に分かれているが、実際大学くらいだと人によってかなり様々なことをしている。一応各組織において取得するべき単位はあるが、実状として、大学生の本分は課外活動(サークル活動やアルバイトなど)にあると言っても過言ではないと思う(過言かもしれない)。まあとにかく、教育研究機関ではあるが、実際多くの大学生にとって研究はおまけみたいなもので、学部3年か4年次に研究室に配属され、指導教官に適当なテーマを与えられて、それに取り組むといった程度であろう。特に新規性も有用性も期待されていないと思う。もちろん中にはかなり本格的な研究をする人もいるだろうが、全体からすれば少数派になるであろう。

 では大学院とは何か。学校教育法第99条によると

大学の学部課程の上に設けられ、学部課程を卒業した人、およびこれと同等以上の学力を有すると認められた者を対象に、学術の理論および応用を教育研究し、文化の進展に寄与することを目的とするものである。

 と書いてある。大学院には上述のように、修士課程(博士課程前期)と博士課程(博士課程後期)がある。修士課程を修了したのち、博士課程の学生となる。通常、修士課程は2年、博士課程は3年で修了する。大学生と違って、大学院生は入学時点で研究室に配属される。そういう意味では大学生のときよりも研究の側面がやや強くなっていると言える。

 大学院生が普段何をしているのかについては、正直分野によっても研究室によっても異なるので一概には言えないが、基本的には修士課程であれば修士論文を、博士課程であれば博士論文を書くために、勉強したり、論文を読んだり、セミナー発表をしたり、野外調査をしたり、研究発表をしながら過ごすのが一般的であると思われる。

 

修士号・博士号ってどうやったら取れるの?

 修士号(修士の学位)および博士号(博士の学位) を取得するには、規定の単位を取得し、それぞれさらに修士論文、博士論文を提出して、学位審査に合格することが基本的な条件である。大学によっても違うかもしれないが、実際のところ、修士号に関してその審査は割とガバガバである思っている(個人的見解なので悪しからず)。しかし博士号取得に関しては比較的ハードルは高い。

博士号には次のような区別がある:

  1. 博士課程に在籍して学位審査に合格、修了した者に授与される課程博士
  2. 在学しないまま学位審査に合格した者に授与される論文博士

博士課程の単位を取得したが、博士号を取得しないまま、つまり論文審査を通過しないまま退学する人もいて、そういう人は経歴に「満期退学」「単位取得退学」などと書くことが多い。しかしこれには制度的な裏付けがあるというわけではないので、このような名称の使用に関して文科省は否定的な見解を示しているらしい。

 

まとめ&次回予告

  少し堅苦しい部分や正直端折ってしまった部分もあるが、とりあえずこれで制度・資格としての博士がなんなのか、ざっくり理解できたのではないかと思う。次回は「博士ってなんぞ?(中級編)」と称して、論文審査をパスするための条件などについて解説していきたいと思う。バーイ!!!